名古屋から中央線快速で1時間と少しで恵那駅に到着。町の中央を流れる阿木川方向へ歩くと程なく橋のたもとに「大井宿」と記された「辻行灯」が見えてきた。この橋を渡り中山道六十九次のうち、江戸から数えて四十六番目の宿場町であった「大井宿」に入ることができた。大井宿の全長は六町半(約710m)で最盛期には45軒余りあったと言われる旅籠や本陣門、商家など昔の面影を残す建物が今も残っており 宿内を通る中山道は、昔どおりの長さ、幅を保っているらしく歩いていて確かに通りが狭く感じられる。また、土産物店らしきものは一切見当たらないため他の古い町並みにありがちな観光地化された騒々しさがないのもいい。中でも大井宿の有力な商家であった「ひし屋・古山家」が明治初年に改築されたものの、大規模な近世的町屋建築として恵那市の文化財に指定されており見応えがある。また中山道随一といわれる六カ所もの桝形が残っているのもこの宿場町の特徴らしい。さて宿場町の散策を終えた後、以前から機会があればぜひ行きたい場所があったのでそちらへ向かうことにした。駅方向へ歩いて10分ほどでその店・・・五平餅の「あまから本店」を見つけることができた。お昼にはまだ少し早い時間帯にも関わらず途切れることなく買い求める人の姿が店頭に見られた。中に入るとテーブルが5卓のみでこぢんまりとしているが 民芸調の落ち着いた雰囲気のある店内であった。おなかが空いていたので「五平餅 定食 」を注文することにした。程なく運ばれてきたが焼き立ての五平餅六串、味噌汁、漬け物、山菜、フルーツがセットになってた。早速いただいてみると「だんご型」の五平餅のお米に程々の粒々感が残っていてとても美味しい。タレは醤油ベースで、胡麻、砂糖、胡桃が入っているらしく芳ばしい香りが最高だ。注文した品や店内の様子をカメラに収めたかったのでお店の方に尋ねつつ少し会話させていただいたがとても優しく応対していただき気持ちが良かった。昼も近づき店内もそろそろ混み始めてきたので店を出ることにした。外は小雨が降り出していたが優しいお店に出会えたからか駅に向かう足取りは軽かった。